切れ端の蓄積
Backdrop Driver Video (via AJPWrestling)
誰もいない控室で、私が不慣れな手付きで膝にテーピングを巻いてると、会場入りした天龍さんが控室を間違えて、「真FMW」の控室に入って来てしまいました。
天龍さんはそこに私がいる事に気付くと、すぐその場を立ち去りました。
その直後今度はWARの安良岡選手が救急箱片手に「失礼します」と言って入ってきます。
彼は私の前に来るなり「テーピングごっちゃんです」と言うと、持って来た救急箱からテーピングを取り出し、「一番キツイ箇所はどこですか?」「どっちに捻った時が痛いですか?」「他にありませんか?」「これくらいの強さで(巻いて)大丈夫ですか?」と質問しながら、膝の怪我の箇所に、丁寧にテーピングを巻き直してくれました。
しかし何故安良岡選手は突然こんな事をしに来てくれたのか?
「あぁ、ひょっとして天龍さんが・・・」そう思うと嬉しくて泣きそうになってしまいました。
当時私の体はボロボロ、試合終われば後藤さんにボコボコ、その姿を写真撮られては毎週のようにプロレス誌に「今日も後藤に怒られる三宅」とボロクソ。
そうゆう時期だからこそ、人の優しさが身に染みました。それが天龍さんとなれば尚更です。
普通あれだけの大物レスラーが、私のような下っ端にそんな気遣いする必要ないのですが。
天龍さんにしてもらった数々の優しさは、これからも絶対忘れる事はないでしょう。
心から尊敬してますから。
書くのはまだ先になりますが、天龍さんの武勇伝はまだまだ続きます。。。
選手の移動バスが横浜に到着した時、私は両足の踵の痛みでまともに歩く事が出来ません。
「家まで送るから隣乗ってよ」
そう声をかけてくれたのは、最終戦で戦う対戦相手のレスラーでした。
その対戦相手のレスラーは嫌な顔一つせず、自家用車で私を家まで送ってくれました。
しかし、お恥ずかしい話し・・・私は家に着いても一人でもう歩けないのです。
当時の私の部屋はエレベーターの無いアパートの3階。
最終戦で試合を組まれてるその敵対中のレスラーは、助手席の扉を開けるなり、しゃがんで私をおんぶすると、そのまま一気に3階まで駆け上がってくれました。
私が玄関を入ったところでへたり込む様に崩れ落ちると、彼はもう一度車に戻り私のスーツケースを。
更にもう一度車に戻ると私が付き人をしてた先輩のスーツケースを全て運んでくれます。
「絶対無理しちゃ駄目だよ。休んだ(欠場した)方がいいよ」
そう気遣って帰って行きました。
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『地球が天国になる話』(KKロングセラーズ)
